ワクワクどきどき副業・兼業・チャレンジ応援塾DAY1第2部「ぬるっとはじめてみた自由な働きかた 私の場合」
2023年9月14日(木)19:30分から高浜町役場において「自分らしく生きる!ワクワクどきどき副業・兼業・チャレンジ応援塾」の第1回が開催されました。
パネリストとして参加したのは以下の方々です:
第1部
・高浜町Shoga Studioのセラピスト:山﨑のり子さん
・舞鶴市で「くうねるあそぶ」をプロデュースする:山下恭平さん
第2部
・福井県チャレンジ応援ディレクター :寺井優介さん
・福井のタレント:もりゆかさん
・「カラダ探し」原作者 小説家:ウェルザードさん
第3部
・1部と2部のパネリスト5名によるトーク
ファシリテーター(ホスト):KanbeyLab.小口彩子さん
第2部: 地域でのチャレンジとその経験から
ホスト:続いて、第2部「地域のチャレンジとその経験から」を開始します。まずは、エキセントリックカレッジ福井の卒業生であり、福井のタレントとしても知られるもりゆかさん、次に福井チャレンジ応援ディレクターの寺井優介さん、そして高浜町在住の小説家ウェザードさんの三人です。
もりゆか:皆さん、こんばんは。私は福井でタレント活動をしているもりゆかと申します。嶺南在住で、この地域でタレント活動をしているのは私だけかもしれません。私は以前、全国でアイドルとしての活動をしており、北は北海道から南は九州まで、様々な場所でライブを行ってきました。しかし、結婚を機に夫の地元である福井県に移住しました。嶺南の人々の温かさに触れ、大阪出身の私はその優しさに感動しました。しかし、アイドルとしての過去を隠して生活していました。それは、地域の人々から「目立つことをするのは恥ずかしい」と言われたからです。しかし、福井県のプロジェクト「エキセントリックカレッジ」に参加することで、自分の中の表現の衝動を再確認し、再びタレントとしての活動を開始しました。現在は、福井県のCMや広告モデルとしても活動しています。
ホスト:続いて、ウェルザードさんからのご紹介をお願いします。
ウェルザード:皆さん、作家のウェルザードと申します。職業としては作家ですが、お化け屋敷のプロデューサーも務めています。基本的には、クリエイターとして様々なことに挑戦しています。面白いことに、隣にいるもりゆかさんとは、私がアイドルオタクとして活動していた頃に、東京の大きな会場で必ず出会っていたと思います。そのオタク活動が、今の私を形成する一因ともなっています。今日は、その経験を生かして頑張りたいと思います。
ホスト:次に、この2人をつなげた立役者、寺井さんからの自己紹介をお願いします。
寺井:はい、皆さん、こんにちは。私は福井県庁で「チャレンジ応援ディレクター」という職を担当している寺井です。敦賀の出身で、22歳から福井県庁でゴリゴリの公務員として働いてきました。最初の勤務地は小浜の嶺南振興局で、観光の仕事を中心に担当していました。オバマ大統領の当選時や、福井での朝ドラ「ちりとてちん」のロケ担当など、多彩な経験をしてきました。
その後、勝山の恐竜博物館のPRを担当し、入館者数を50万人から100万人へと増やすことに成功しました。そして、2年半前に知事から「チャレンジ応援ディレクター」という新しい役職を任されました。この役職の名前の通り、私の主な役目は県内の若者たちのチャレンジを応援することです。
その中で、特に印象的だったのは「エキセントリックカレッジ福井」というプロジェクト。これは、異端や風変わりな才能を持つ若者たちをサポートするためのプロジェクトで、もりゆかさんもその一員でした。彼女がタレントとして再び活動を始めるきっかけとなったのも、このプロジェクトの一環でした。
私の仕事は、福井県の真面目な若者だけでなく、ちょっとはみ出した才能を持つ若者たちの夢や挑戦をサポートすること。それが私の役目であり、情熱です。よろしくお願いします。
異端の才能を地域で輝かせる
ホスト:寺井さん、ありがとうございます。エキセントリックカレッジ福井についてもっと知りたいのですが、高浜町からだとちょっと遠く感じるんですが?
寺井:実は、その考え方が少し違うと思っています。今日、私は福井から来ましたが、全然近く感じました。実際、月に1回は訪れていて、遠さを感じていません。行ってみると、そんなに遠くないと思いますよ。
ホスト:確かに、しかしながら、嶺北の方でも一度も高浜に来たことがない人が多いですね。それは実際の距離よりも、心の距離感かもしれません。そういった距離を超えるためにも、エキセントリックカレッジの活動が大切だと思います。もりゆかさん、エキセントリックカレッジがなかったら、今の自分はどうだったと思いますか?
もりゆか:もしエキセントリックカレッジがなかったら、今も一人で静かに暮らしていたと思います。移住してからも好きな仕事をしていて、家族との生活には満足していました。しかし、何か物足りなさを感じていたので、今はその発見にとても幸せを感じています。
ホスト:ウェルザードさん、なぜ高浜に戻ってきたのですか?そして、なぜ小説家になろうと思ったのですか?
ウェルザード:実は、ちょっと暗い経緯があります。三重県に移住していた時、精神的な問題で自律神経失調症になりました。その時、働けない私に元嫁から離婚を提案され、戻ってきました。その後、家でできる仕事を探していた時に、携帯小説が流行っていたので、それを目指すことにしました。3作品目の「カラダ探し」は人気が出ましたが、出版社からは酷評されました。しかし、ある日突然、書籍化のお知らせが来て、そこから書籍化、漫画化、映画化と続きました。
ホスト:それは驚きですね。大変な状況の中で、小説を書くことを選んだのはなぜですか?
ウェルザード:実は、昔、別のサイトで小説を投稿していた時に、仲間ができました。その仲間が「今なら本になる」とアドバイスしてくれたので、それを目指すことにしました。
地域のエンタメとクリエイティブ活動:隠れた才能の発掘と価値の高め方
ホスト:嶺南には、大手の出版社や芸能プロダクションなどが存在しない中で、もりゆかさんのような独自の活動を行うのはどのように考えていますか?
もりゆか:実際に活動を始める前、多くの人々とのミーティングで福井でのタレント活動の難しさを痛感しました。特に、福井でのキャラクターを活かしたタレント活動の需要については懐疑的な意見が多かったです。しかし、私は福井でもエンタメのコンテンツには需要があると信じ、自分がその分野を開拓する決意をしました。そして、半年の活動を通じて、自分のキャラクターを売りにすることの価値を実感しています。例えば、ウェルザードさんや寺井さんとの共同プロジェクトで役者としての仕事も増えてきました。このような経験を通じて、自分の道を進むことの大切さを感じています。
ホスト:その活動の中で、エキセントリックカレッジのようなコミュニティの存在はどのように影響していますか?
寺井:エキセントリックカレッジは、コミュニティの大切さを強調しています。田舎でエキセントリックな活動を行うと、どうしても浮いてしまうことがある。しかし、エキセントリックカレッジのコミュニティは、そのような中での支えとなっています。私たち1期生は、お互いの生い立ちや趣味よりも、本質的な部分で深く繋がっています。このような強い絆を持つコミュニティは、福井県にはこれまでなかったと感じています。エキセントリックカレッジのワークショップでは、参加者同士が深い議論を交わすことが多く、それが新しい関係性や協力関係を生む原動力となっています。
ホスト:ウエルザードさん、先ほども触れていましたが、地域と都会のエンターテイメントの価値観の違いや、地域での活動の難しさについてどのように考えていますか?
ウエルザード:地域と都会を比べると、地域の人々はエンターテイメントの価値、特に対価についての認識が曖昧な場合が多いです。地域での活動では、「タダでやって」と頼まれることもしばしば。私たちがプロとして価格を提示すると、地域の関係性から断りにくい状況も生まれます。事務所に所属していれば、そういったやり取りを代わりにしてくれるのですが、個人で活動していると、その辺りの調整が難しいです。もりゆかさんとも、この地域でのエンタメ活動の価値を高めるためのプロジェクトを考えています。
ホスト:エキセントリックカレッジのような場で、福井の真面目な文化の中で、エキセントリックな個性を持つ人々が集まることで、どのような変化や影響を期待していますか?
寺井:エキセントリックカレッジのテーマは「奇抜を解放し、異端をみんなで面白がる」です。日常生活の中で、自分の気持ちややりたいことをオープンに話す場は少ないと感じています。特に福井では。私たちが目指しているのは、もっと自由に自分を表現し、楽しく生きること。福井が「幸福度日本一」と言われていますが、本当にそうなのか疑問に思っています。エキセントリックカレッジを通じて、多様な生き方や考え方を持つ大人の存在を、特に高校生たちに示していきたいと考えています。
ホスト:ウェルザードさん、特にエンタメやクリエイティブな活動に関して、地域の子供たちや高校生が普段目にする大人の姿は限られていますよね。そういった背景を考えると、彼らに多様な選択肢や可能性を示すためのコミュニティの形成は重要だと思いますが、どう思いますか?
ウェルザード:確かに、地域にいる子供たちが目にする大人の姿は限られています。特に、エンタメやクリエイティブな活動をしている大人は少ない。そのため、彼らが自分の選択肢としてこれらの活動を考えることは難しいかもしれません。福井は真面目なイメージが強いですが、それが悪いわけではありません。しかし、もっと多様な価値観や生き方を示すことで、地域の子供たちや若者たちに新しい可能性を示すことができると思います。
女性と地域活動:多様な価値観と生き方の追求
ホスト:もりゆかさん、母親としての立場から見て、特に女性やママたちに伝えたいことや、地域での活動についての思いはありますか?
もりゆか:活動を始めた当初、私は「お母さんなのに活動している」という点で批判されるのではないかと心配していました。しかし、意外と多くの人たちから応援の声をいただいています。福井は待機児童の問題も少なく、家族のサポートも受けやすい環境です。私自身、大阪出身で福井に来てからは、地域の中で自由に活動させてもらっています。しかし、地域での活動は、完璧な状態で始めるのではなく、小さなステップから始めて経験を積んでいくことが大切だと感じています。特にママたちには、自分の人生を諦めずに、自分のやりたいことを追求してほしいと思っています。
ホスト:福井は幸福度が高いと言われていますが、女性の役割や家事、育児に関するプレッシャーもあると思います。そういった中で、多様な価値観や生き方を発信していくことの重要性を感じますね。
ホスト:ウェルザードさん、高浜町での活動をコミュニティとして進める中で、先ほどの「奇抜を解放し、異端を面白がる」というコンセプトを持って高浜町をプロデュースするとしたら、具体的にどのようなアプローチや活動を考えていますか?
ウエルザード:まず、高浜にはエンタメやクリエイティブな活動をしている人たちが確かに存在しています。しかし、彼らの活動や存在が十分に表に出ていないのが現状です。そこで、最初のステップとして、これらの人たちを発掘し、彼らの得意なものや活動を明らかにすることが重要だと考えています。さらに、たとえ彼らの活動が現段階では趣味の範疇であっても、それをビジネスや生計に繋げるための価値を共同で高めていく取り組みが必要です。そうすることで、多くの人たちが自らの活動や才能を公にする勇気を持つことができると思います。ただ、このような取り組みを進めるには、行政や地域の協力が不可欠です。個人や小さなグループだけで隠れている才能を発掘するのは難しいため、行政や他の関係者と連携し、点と点を繋げて大きなコミュニティを形成していくことが鍵となるでしょう。